従業員の行動に繋がるコミュニケーションの仕組み作りとは? 〜 『インターナル・コミュニケーション経営』著者 清水教授インタビュー(後編)

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Continuing on from [Part 1] (https://www.old.brightcove.com/ja/resources/blog/interview-internal-communication-1), Professor Shimizu, author of “Internal Communication Management”, will talk about the core of internal communication: understanding the management philosophy, making it your own, and putting it into practice.

今までの経験や感情と組み合わせることで、より深い言葉で喋れるようになる

ブライトコーブ(以下BC)大野 経営理念の浸透や自分ごと化には、部門を超えた組織作り以外に重要な事項はあるのでしょうか?

清水教授 認知的文化だけではなく情緒的文化を社内で共有する必要があります。認知的文化は言葉を使って理解することです。ただ、これは理解の幅が狭くなるリスクがあります。うっかりするとオウム返しをするだけになってしまう。そうではなく、自分の頭で理解して自分の言葉で喋れるようになることが重要です。

そのためには、認知した情報だけではなく、経営者や従業員の喜び、やさしさ、不安などの感情と組み合わせることでより深い言葉で喋れるようになるのですが、日本語の「腹に落ちる(納得する)」ことが行動化に繋がります。これが従来の社内広報とインターナルコミュニケーションの大きな違いではないでしょうか。

欧米ではインターナルコミュニケーションを「従業員の知識、態度、行動に体系的に影響を及ぼすコミュニケーション行動を計画的に行うこと」などと定義しており、知識だけではなく態度を示すことなどの行動が含まれているのが特徴的です。

今回出版した書籍では、その日本版として「インターナル・コミュニケーション経営とは、トップ・マネジメントがインターナル・コミュニケーション活動を経営の中核的企業行動のひとつとして捉え、日常的な経営の仕組み(仕掛け)に組み込んで経営戦略を効果的に実行すること」と定義しました。

双方向性で直接的なコミュニケーションをより重視する必要がある

BC 大野 なるほど、従来の社内広報からインターナルコミュニケーションへ拡張・転換されていくべきで、行動に繋がる仕組み作りが必要ということですね?

清水教授 そうです。従業員が頭で理解するだけではなく、態度や行動へ移すには社内誌や社内メール(ニュースレター)といった一方向の間接的なコミュニケーションのみならず、顔付き、身振り、手振りといった感情を表せる双方向性で直接的なコミュニケーションをより重視する必要があるのです。

インターナルコミュニケーションにおいては、マスコミ理論を単純に適用してはいけません。マスメディアは印刷や放送したらそこで目的を果たしていますが、それと同じことを実施してはいけないのです。

インターナル・コミュニケーション経営(IC経営)と従来型社内広報との違い
社内広報/インターナル・コミュニケーション経営

対象 : インサイド・イン:社員+社員家族、退職者 (社員を集団として捉える) / インサイド・アウト:社員→ステークホルダー(社員を多様な個人・表現者として捉える)   
目的:経営情報の伝達/共有、参画意識の向上  /企業価値(ベネフィット)の中長期的向上
目標:1ヶ月〜数ヶ月/数ヶ月から数年程度(ビジョン):年計/中長期計画に関わる長期的スパン

評価:アウトプット(EX.情報量/伝達効率等) / アウトカム(意識/行動変化率、量など)※代替指数の「企業イメージ」「採用倍率」「社員満足度」等 経営機能:伝達(報道)、解説、アーカイブ/経営行動の促進+伝達(報道)、解説、アーカイブ   

技術:報道、解説、アーカイブに関わるコミュニケーション技術/組織コミュニケーション技術とマネジメント技術の活用 

メディア:言語+映像メディア/対面・各種パフォーマンスと映像・言語メディア担当組織:管理系役員に統括される広報部ないしは総務系組織/経営戦略により編成:経営企画、総務人事、広報、CSR、IR等スタッフ 組織で編成するトップ直属組織

※日本広報学会イノベーションフォーラム2019『経営コミュニケーション研究会と”インターナル・コミュニケーション経営”ー私たちは何を観察し学び、何を伝えようとしてきたか』より転載 作成:清水 正道 教授

また、会社の成長プロセスに沿って重視されるインターナルコミュニケーションの方法を理解することも重要です。創業期は社員も少なく、ミーティング等の対面業務が重視されます。成長していくと社員が増えてきますので、従業員へのブリーフィングを目的としたインターナルコミュニケーションが必要になってきます。成熟期には社内報や、コンプライアンス徹底や経営理念の見直しといった様々なプロジェクト・グループによるインターナルコミュニケーションが増えてきます。衰退期にはM&A等によるレイオフなどが発生する可能性もあり、従業員の不安を払拭する意味でも感情を共有するインターナルコミュニケーションが必要です。

情報量の多さから、動画は経営理念の理解を効果的に進めるのに有効

BC 大野 色々とお話頂きありがとうございます。最後に、弊社は企業内でセキュアに動画配信をするためのクラウドサービスを提供している会社になるのですが、インターナルコミュニケーションに対して動画はどう寄与できるのでしょうか?

清水教授 文字や静止画にくらべて情報量が多いことから、動画は経営理念の理解を効果的に進めるのに有効です。海外や地方拠点などにはトップが頻繁に訪問することが難しい場合もあるので、スピードの観点からも便利なメディアと言えます。個人的には映像のみならず、出演者の声色や抑揚が情緒的理解に影響するのではと考えています。ただ、そこまで考慮した動画を国内では制作できていない企業も多いのではないでしょうか?

BC 大野 確かに昔は弊社のお客様においても、出演者が台本を見ながら棒読みしている動画も見受けられました。昨今は、トップが従業員の感情に訴えかけるエモーショナルな動画が増えていると感じています。若い従業員の方々は動画に慣れ親しんでいる世代で目が肥えているので、その方々に親しみを持って見てもらえる動画作りが、個人的には今後の課題となるように思います。

清水教授 そうですね。確かに今はスマートフォンなどを利用して簡単に動画を制作できてしまいますね。ただ、それを映し出すだけでは腹に落ちにくい。従業員が動画で得た知識や感想を、上司や従業員同士で語り合うことが必要です。各部門のリーダーが率先して動画で得た情報や印象に残ったこと(気持ち)を交わしあうことで、従業員全体での認知的理解だけではなく情緒的理解も進み、インターナルコミュニケーションの効果も現れるのです。

BC 大野 なるほど、動画を利用するにしても情緒的文化が必要ということですね。非常に勉強になりました。ありがとうございました!

インタビューは以上になります。今回お話頂いたインターナルコミュニケーションに関する、より詳しい理論や事例については、経団連出版より発行された清水教授 編著の『インターナル・コミュニケーション経営』に詳しく記載されています。動画を利用した事例も多数掲載されていますので、是非ご一読ください!(https://www.keidanren-jigyoservice.or. jp/pub/cat/7da17c0fb70764ce57bf985e24d784d068e13805.html)

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